年も明けて2015年の確定申告の時期が近づいてきました。
これから各証券会社より年間取引報告書が送られてきますが、確定申告で大事な株式の申告方法について確認していきます。
以前、税務署の方に株式の売買による申告で「総合課税、申告分離課税のどちらか好きな方を選んで申告してください」と教わりました。
しかし、この申告方法についてちゃんと理解しておかないと怖いことになります。
税金の種類
大きく分けて税金の計算には3つのグループがあります。
※解り易くするために今日は復興特別所得税は考えないことにします
それは、「総合課税」「申告分離課税」「源泉分離課税」です。
それぞれについて簡単におさらいしましょう。
総合課税
いくつかの所得を合算して、所得に応じた税率をかけて所得税を計算します。
所得が多いほど高い税率になります。
申告分離課税
他の所得とは切り離して特定の所得だけで所得税を計算します。
所得の多さに関わらず一定の税率です。
源泉分離課税
銀行などの利息の支払い時などに税金を差し引いて支払われ、その場で課税が完了します。
所得の多さに関わらず一定の税率です。
所得金額によっては総合課税で多くの税金をはらうことになる
「総合課税、申告分離課税のどちらか好きな方を選んで申告してください」
税金について理解せずに選択すると大変なことになります。
その仕組みについて説明します。
所得税額速算表
総合課税の所得税の計算は2015年(平成27年)より変更になりました。
課税所得が1,800万円以上が40%だったのに対して、4,000万円を超える場合は45%の税率になりました。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~195万 | 5% | - |
195万~330万 | 10% | 9.75万 |
330万~695万 | 20% | 42.75万 |
695万~900万 | 23% | 63.60万 |
900万~1,800万 | 33% | 153.60万 |
1,800万~4,000万 | 40% | 279.60万 |
4,000万~ | 45% | 479.60万 |
実際の税率
あまり大きな所得は置いといて、数百万レベルのサラリーマンでの所得で実際にいくらになるのか計算してみましょう。
所得金額 | 税率 | 控除額 | 所得税額 | 所得に対する実際の税率 |
---|---|---|---|---|
¥1,000,000 | 5% | ¥0 | ¥50,000 | 5.0% |
¥2,000,000 | 10% | ¥97,500 | ¥102,500 | 5.1% |
¥3,000,000 | 10% | ¥97,500 | ¥202,500 | 6.8% |
¥4,000,000 | 20% | ¥427,500 | ¥372,500 | 9.3% |
¥5,000,000 | 20% | ¥427,500 | ¥572,500 | 11.5% |
¥6,000,000 | 20% | ¥427,500 | ¥772,500 | 12.9% |
¥7,000,000 | 23% | ¥636,000 | ¥974,000 | 13.9% |
¥8,000,000 | 23% | ¥636,000 | ¥1,204,000 | 15.1% |
¥9,000,000 | 33% | ¥1,536,000 | ¥1,434,000 | 15.9% |
¥10,000,000 | 33% | ¥1,536,000 | ¥1,764,000 | 17.6% |
所得が330万円を超えると税率が10%から20%になり税金が2倍になったように感じる人もいるかもしれませんが、段階的に上がるようになっています。なので400万円の所得金額の人でも195万までは5%、195万~330万までは10%の税率で計算されています。それを計算しやすく、税率をかけて控除額を引くと、実際の所得金額が計算できるようになっています。
今回記載した上の表だと、所得金額が100万から順に少しづつ実際の税率が上がっているのが確認できます。
1,000万でも実際の所得税は約17.6%程度になるのですね。
申告分離課税の税率
申告分離課税は一律20%です。
収入と所得の違い
ここで扱っている所得金額とは実際にもらった金額ではありません。
今回は簡単にしか扱いませんが、所得とは課税所得のことで、給料収入などから給与所得控除や配偶者控除などを引いた金額になります。
家族構成や支払った生命保険金額などによっても課税所得はことなります。
大体の目安ですが、収入が300万程度で課税所得は100万程度、収入が700万で課税所得が250万程度だろうと思います。
数百万の譲渡所得があると総合課税の税金が跳ね上がることになる
給与所得に譲渡所得を足し合わせて実際の所得金額を計算したあと"所得に対する実際の税率"をみてみると、譲渡所得金額によっては高い税率になる場合があります。
申告分離課税ならば20%ですんだものが最大45%もの税率になることがあるのです。
総合課税と申告分離課税で結局どちらがよいのか
これを考えるにはさらに繰り越しによる控除、損益通算についても学ばなければなりません。
総合課税のばあいは損失は今期だけの控除になります。
申告分離課税の場合は損失を翌年以降3年間に渡って繰り越すことができます。
確定申告する際に、自分の所得がいくらになるのか、利益はいくらだったのか、損益はいくらだったのかも考えてどちらで申告するか考えることが必要ですね。
どちらにしろ大きな利益があった場合は住民税について金額が多くなり会社に他の収入があったことがばれますが、これについてはまた別の機会に。。
税金についてはまだまだややこしく、奥が深いものですね。
私もまだまだなところがありますが、知らないと損することがたくさんあるようです。
--------------------------------------------
Twitterやってます。
Follow @tasuku88888
--------------------------------------------
0 件のコメント:
コメントを投稿