2015年5月23日土曜日

インデックス投資と毎月分配型のどちらがよいのか?


インデックス投資と毎月分配型についてどっちがよいか争っている記事を見かけて思うところがあります。
そもそも比較の対象や論点があっていないように思えるのです。

私の理解している範囲でまとめて自分なりの考えを書いてみました。





比較するならこうだと思う

「パッシブ投資」か「アクティブ投資」

パッシブ投資

パッシブ投資とは市場の平均的な収益を狙う投資手法です。
その代表がインデックス投資だと思っています。
インデックス投資とはある対象に対する指数に連動するような値動きを求める投資手法。
例えば日本の株式を対象にした指数として、"日経平均"や"TOPIX"などがあり、アメリカの株価ですと"ダウ工業株30種平均株価"、アジアを対象にした株価指数ですと"香港ハンセン株価指数"などがあります。



アクティブ投資

アクティブ投資とはその時点での最高益を狙う投資手法です。

その代表的な投資手法にグロース投資やバリュー投資などがあります。



上記の通りパッシブ投資は平均的な収益、アクティブ投資は最高益を目指しています。
ですから、どっちの方がリターンが大きいとかそんなことは目指していることが違うので比較の対象になりません。
では最高益を目指すアクティブ投資の方が良さそうですが、優秀なファンドマネージャでさえ試行錯誤しているのだと思いますし、簡単にできることなら苦労しないのでしょう。

そこで大きな問題になるのが次に述べるコストです。

コストについて

投資信託において重要になってくるのがコストです。

コストには次のようなものがあります。

販売手数料

購入時に販売会社に対して支払う費用です。
この購入手数料がないファンドをノーロードと呼びます。


信託報酬

投資信託を保有している間、保有量に応じて支払う費用のことです。
これは特別に自分で支払うわけではなく決算時に間接的に引かれるためあまり意識されないものかもしれません。
知らず知らずの内に財産から引かれていく手数料です。

信託財産保留額

投資信託を解約・換金する際に支払う金額です。
投資信託を解約するとその投資信託のファンドマネージャは投資先から換金して支払うお金を用意しなくてはなりません。
そうするとそのために手数料がかかりますから、その手数料を残った購入者が負担するのでなく解約する人が負担しましょう。みたいなものだと思っています。
ちょっと難しいというか絵を書いた方がよさそうなので、別途記事にしてみようかなと思います。


今回は信託報酬に主眼をおいてみます。

信託報酬は投資信託を運営するために必要なものです。
投資信託も慈善事業ではありませんので、かかった費用はもちろん利益を確保しなくてはなりません。
ですが、私たち投資する人から見るとこのコストは少しでも安い方がよいに決まっています。
同じ商品やサービスであれば安いお店に行ったりするのと同じですね。


先ほどアクティブ投資で「優秀なファンドマネージャでさえ試行錯誤している」と書きました。
投資先を調査したり計算したりアクティブ投資にはいろいろな専門家が集まって運営してくれているのです。
実際には少し違うようですが、インデックス投資だとその対象となる指数を構成している銘柄を購入していくことで同様の値動きを追うことができます。

投資信託を運営するにしても人件費や手間賃などアクティブ投資の方がコストがかかることが多いので、信託報酬もアクティブ投資の方が一般的に高く設定されているのです。

同様に毎月分配型は毎月ファンドマネージャが株などを買ったり売ったりを繰り返し尚且つ毎月現金を用意してみんなに配分する役目もありますから、その手間分や売買手数料はコストに反映されてしまいます。ですから毎月分配型は信託報酬が高めになってしまうのです。


長期投資を目指している場合

私もまだまだ現役で仕事をしており、老後資金など含めて長期的に運営する場合はそのコストが少しでも少ない方が財産に対する影響が小さくなります。

ある同じ対象に投資しており、年間10%のリターンがあると仮定しましょう。
その場合のコストが2%の場合と0.5%の場合を比較してみます。



横軸は経過年数、縦軸は初年度を100とした場合の比率です。

どうでしょうか。長い年月が経つとたった1.5%のコストも大きな違いになってきますね。
コスト2%の場合は20年で約4倍ですが、コスト0.5%では5.5倍になっています。

実際にはこんなに年間10%のコンスタントにリターンのある市場はないかもですが、少なくともコストは大きな違いになってきます。


分配ありなしの違い

分配金のありなしとインデックス投資は関係ありません。
インデックス投資でも分配金をだすものもあれば出さないものや時々少しだけ分配金を出すものがあります。
ここで大事なのは分配金が支払われても銀行の貯金による利子などと違って自分の財産は増えていないことです。
逆に税金分財産が減っているのです。


※世の中にはもっと上手な絵で説明しているところもありますが、、、


分配金を出さない場合は上の図の左の状態(投資信託のだした利益が乗っかった状態)から継続して投資が行われます。
分配金を出すと分配金から20%の税金が引かれたものが再投資(再投資しない場合もある)されるため、分配金を出した場合と比較して分配金の税金分だけ少なくなりますので、何年も投資を継続するとその差は大きなものになるのです。



今度は初年度に対して利益がそのまま投資され続けた場合と毎年5%分が分配金として支払われてその分から税金が引かれた状態で再投資したことを条件に比較してみました。
ここでも毎年コンスタントに10%のリターンがあったものとしています。

20年経過すると分配金なしですと6倍になりましたが、分配金ありですと5倍にしかなりませんでした。
このように分配金に対して税金をしはらうと運用効率が落ちてしまうのですね。

分配金だすことのメリットというか考え方を変えると毎月コンスタントに解約と同じことができるなどありますが、再投資することを前提に考えると分配金はでないほうがよいとなるのです。
これが利の力ですね。

※分配金による影響は他にもあるのですが、今回は簡単に説明するために端折りました。



まとめ

私はインデックスが良い悪いではなく本質を捉え、何が大事なのかをもっと考えるようにしようと思います。

コストはできる限りかからない方が望ましい。
複利の力を最大限に生かすためには分配金をださないほうがよい。

コストが掛からない手法は現在インデックス投資に多い。
インデックス投資で分配金を出さないものが多い。

ということから私はインデックス投資を中心に投資していこうと考えています。



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